2024年8月19日
歯周病は、日本人の歯・口腔の主要な疾患となっており、成人期の有病者率が高いことや、全身疾患や生活習慣との関係が指摘されていること等から、歯周病対策をより一層推進していくことが求められています。
歯周疾患検診を通じて、歯・ 口腔の健康状態の検査や歯・口腔の健康に関連する生活習慣や全身疾患の状況を踏まえた歯科口腔保健指導等を行うことで、生涯を通じて歯・口腔の健康を保つことを目的に実施されております。
歯周疾患検診は健康増進法に基づいて、市町村が実施しておりますが、自治体の実施率は約8割で、受診率は5%程度と低いものになっております。
天理市でもこれまで歯周疾患検診を実施しておりましたが、グラフで示す通りその受診者数は少ないものでした。
歯周病があることによって糖尿病や心筋梗塞、低体重児出産、誤嚥性肺炎などの全身疾患の発症、症状悪化にも関連するといわれており、最近ではアルツハイマー型認知症の発症にも関連しているという報告もあります。そのため、歯周病を早期に発見し、いつまでも健康な口腔環境を維持させるとともに口腔内から全身の疾患を予防するためにも、できるだけ多くの方に歯周疾患検診を受診してもらう必要がありました。
令和5年度までは天理市では下記表のように歯周疾患検診は実施されておりましたが、受診者数は少ない結果でした。受診者数を増やすためにも、また令和4年に閣議決定された骨太の方針では「生涯を通じた歯科健診」が記載されたこともあり、令和6年より天理市では下記のように歯周疾患検診の対象を拡大し実施することになりました。
奈良県で実施された令和4年度歯周疾患検診の受診者2542人のうち、1376人(54%)が歯周病と診断されており、歯周病は自覚症状がなくても発症、進行していく疾患です。8月から翌1月までの期間で歯周疾患検診を実施しておりますので手元に受診券が届きました皆様は、特にお口の症状がなくても是非この機会に歯周疾患検診を受診してください。