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天理市の子供の虫歯になっている(た)人ってどれくらい?~学校歯科健診の結果から~

2024年7月10日

毎年6月頃は学校歯科健診が各校でいっせいに行われ、山辺・天理歯科医師会の会員の歯科医師も学校歯科医になっている学校などに赴き、歯科健診を行います。7月に入る頃には、子供たちは学校から歯科健診の結果を通知され、中には歯科医院に受診するよう言われた方もおられることと思います。
 
その中で、学校歯科健診の目的は、ひとりひとりに歯科医院への受診をお知らせするほかに、子供たちの虫歯の数や割合を調べることも目的のひとつになります。今回、その結果を少し紹介します。
 

 
全国的にはおおむね各年代ともに1993年(平成5年)から2022年(令和4年)にかけて虫歯(処置したもの、処置していないもの含む)を持つ者の割合は減少しています。理由は、親が虫歯を意識するようになって、子供たちの生活習慣の改善や、フッ化物配合歯磨剤の普及が考えられています。
 

 
次に、天理市立の幼稚園、小学校、中学校で行われた歯科健診の結果から虫歯(未処置歯)を持つ割合についてのデータを示します。
平成27年から令和5年にかけての処置していない虫歯を持っている小学生は減少傾向を示していることがわかりますが、幼稚園児、中学生は少し減少傾向であるものの、大きく減少がないことがわかります。
 

 
令和4年度の私立幼稚園、小学校、中学校の虫歯保有率(未処置歯)を示します。天理市のデータと、奈良県、全国と比較すると、幼稚園は未処置の虫歯を持つ者の割合は奈良県、全国と比較して少ないですが、小学校、中学校はともに多い傾向があることがわかります。
この結果は、治療していない歯だけを比較しているので、(歯科を受診せずに治療を受けていない小学生、中学生が多いだけである可能性もあるので)決して天理市の小学生、中学生は虫歯が多いと断言はできませんが、ただその傾向がある可能性は十分あります。
 

 
奈良県歯科医師会調べただし、これまで示してきた虫歯は乳歯と永久歯を対象に計算されていました。
令和4年度の奈良県各市町村の12歳児一人平均DMF歯数のグラフを示します。DMF歯数とは、永久歯の虫歯の処置歯、未処置歯、虫歯で無くなった歯の合計です。
令和4年度の結果をみると、12歳児(中学1年生)の一人平均DMF歯数は奈良県平均0.52本に対し、天理市は0.62本でわずかに多い傾向があるのみでした。なお令和3年の全国平均は0.63本ですので、このデータからは天理市の永久歯の虫歯の数は決して多いとは言えないことがわかります。
 
このように、データの取り方を変えることによって天理市の虫歯の傾向が多い可能性もあるし、平均程度という見方もありますが、山辺・天理歯科医師会としてはこの結果を、学校歯科医を中心に山辺・天理歯科医師会会員で共有し、学校歯科保健活動をより改善させるための対策を検討していき、子供たちの口腔環境の改善につなげていきたいと考えます。